カサヴェテス監督『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』

■カサヴェテス『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』1976年アメリカ。BS2の「犯罪名画特集」なのだが、犯罪映画ではない。主人公のビテリはポーカーの借金を帳消しにするため雇われて殺人を犯し、自分も命を狙われる。予想に反して、これは罠にはまった哀れな男の物語ではない。カサヴェテスが撮るのは、場末のクラブで希望と絶望の狭間に生きる人間たちの息づかいだ。ラスト近くの楽屋のシーンが、もっともカサヴェテスらしいクライマックスだろう。