グリーナウェイ『プロスペロの本』

■P・グリーナウェイ『プロスペロの本』1991年英仏。閉じた空間に完璧なバロック世界。デレク・ジャーマンっぽい悪趣味ささえある。一緒にグリーナウェイの初期短編集も放送されていたが、『英国式庭園殺人事件』のような物語の強い作品よりも、箱庭的な美しさの映像+朗読+「書字」こそ彼の美的世界の本質のようだ。幾重にも重なるイメージ、閉鎖的な空間を演出するための全編にわたる湿ったリバーブ、イメージの一部となった「書字」、一分の隙もないセット。観ていて息苦しくなるほどの濃密な世界。